カリフォルニアの奇跡のテロワール
先日のブログで、まったく無名のカリフォルニアワインが、
本家フランスのトップシャトーにブラインド・テイスティングで買ってしまったという歴史的事件
いわゆる「パリスの審判」について書きました。
「リターンマッチ」の結果が示す通り、カリフォルニアワインがフランスワインを打ち破ったというのはただの偶然ではないです。
偶然というよりは「奇跡」的なテロワールが生んだ必然とも言えるかもしれません。
カリフォルニアは温暖で乾燥した気候が特徴とされています。
温暖な気候はブドウの成熟を助け、糖度の高い完熟ブドウを生産するのに適しています。
カリフォルニアワインのアルコールの高いどっしりとしたフルボディのイメージはこの温暖で乾燥した気候から現れます。
しかし、高品質なワインを作るためには、力強く凝縮した果実味とバランスする酸が求められます。
酸は気温が高いと活発になった呼吸で消費されやすくなりますので、温暖な環境では酸を保つことが課題となります。
沿岸部では特に寒流であるカリフォルニア海流の影響を受け、急激な糖の上昇や酸の減少を抑え、ブドウを適度な期間で成熟させる環境を整えます。
また、寒流の影響でカリフォルニアでは霧が発生しやすくなります。
この霧のおかげで日照が遮られ、気温のピーク時間が非常に短く、日中と夜間の寒暖差も大きくなります。
特に光合成ではなく呼吸が中心となる夜の気温が低いことで、呼吸による酸の減少を最小限にとどめた、エレガントなワインをつくる事ができるのです。
また、ちょうど太平洋プレートとアメリカプレートがぶつかり合う位置にあることで、約100種の土壌バリエーションがあることは、ワインの多様性の表現や技術の発展に貢献しています。
こうした奇跡的な環境に、優秀な栽培・醸造家、コンサルタントたちが関わり、今の高品質なカリフォルニアワインがあるのです。
パリスの審判で1位を獲得したスタッグス・リープ・ワイン・セラーズでは、そうした歴史を造り上げた先代たちの「手形」をモチーフにした「ハンズ・オブ・タイム レッド・ブレンド」というワインがあります。
偉大な醸造家達の手仕事を思いながら飲まれてはいかがでしょうか。
- 2014 ハンズ・オブ・タイム・レッド・ブレンド (スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ)
https://onlineshop.yswinegallery.com/shopdetail/000000002831/