今は亡き天才醸造家 「プリューレ・ロック」
2019/09/07
昨年2018年の11月、ワイン業界は一人の偉大な生産者を失いました。
DRCの共同経営者として、また「プリューレ・ロック」の生産者として有名なアンリ・フレデリック・ロックです。
ビオディナミ(天体の動きなども考慮した自然派農法)の先駆けとしても非常に有名で、100%を全房発酵させるというこだわりも持っていました。
全房発酵とは、収穫したブドウの梗を取り除かず、房ごと発酵させる方法です。
梗までしっかり熟していないと梗の青っぽさがワインに出てしまうリスクがあります。
現在では温暖化により梗まで熟すことは比較的容易になってきているため、そのリスクは低減されていますが、それでも菌による汚染のリスク管理や色味や味わいのコントロールが難しく、醸造家の高い技術を必要とする手法です。
リスクはあれど、梗から抽出される成分による複雑なニュアンスは非常に魅力的なものであり、一部のみ全房発酵を取り入れるという醸造家はブルゴーニュでも非常に多いです。
プリューレ・ロックの製法は100%全房発酵である上、栽培もビオディナミ、酵母も天然の酵母を使用しており、コントロールの難しい要素が非常に多いです。
冷涼で糖度が上がりにくいブルゴーニュでは、多少の補糖をしてアルコールを高める事はよくありますが、プリューレ・ロックはそれすらも一切しないと決めています。(補糖自体がわるい事かと言うと必ずしもそうではありません。)
それでもプリューレ・ロックには自然派にありがちな還元臭やボディの弱さはありません。不安定な自然の要素をうまくまとめ上げ、高品質のワインを生み出し続けるところにスター生産者たる由縁があるのでしょう。
現在弊店にはまだ生前のビンテージの在庫がございますが、いずれ価格も高騰し、手に入らないものになるかと思われます。
気になるかたは是非お早めに確保をして頂ければ幸いでございます。
●2013 ラドワ・ル・クル・ブラン(プリューレ・ロック)
https://onlineshop.yswinegallery.com/shopdetail/000000002520/
●2014ニュイ・サン・ジョルジュ プルミエ・クリュ・ クロ・デ・コルヴェ(プリューレ・ロック)
https://onlineshop.yswinegallery.com/shopdetail/000000002595/
●2014ニュイ・サン・ジョルジュ プルミエ・クリュ・ クロ・デ・ザルジリエール(プリューレ・ロック)
https://onlineshop.yswinegallery.com/shopdetail/000000002594/