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スパークリングワインコラム③ シャンパーニュの栽培について

   

コラム②でシャンパーニュの気候・土壌について解説をしましたが、今回はその気候条件のもと、どのような品種をどのように栽培しているかについてまとめて行きたいと思います。

※上の画像は「パリサージュ」といって、葉が重なりあわず十分に日光を浴びる事ができるように、

新梢をワイヤーで固定する作業をしているところです。

 

1.シャンパーニュのブドウ品種

Ⅰ.ピノ・ノワール

画像:WINE WHATより

シャンパーニュでのピノ・のワールはモンターニュ・ド・ランスの冷涼な石灰質土壌で真価を発揮します。

芽吹きが早いため、冬の霜の被害を受けやすい品種です。

シャンパーニュのブレンドにおいて、味わいに骨格とボディを造り、熟したレッドベリーの風味を付与する役割を担います。

 

Ⅱ.ピノ・ムニエ

画像:WINE WHATより

 

ピノ・ノワールより芽吹きが遅く、霜の被害にあいにくく、幅広い気候に対応します。

ヴァレ・ド・ラ・マルヌの北向き斜面の粘土質土壌で良く育ちます。

シャンパーニュのブレンドに丸みとしなやかさ、フルーティーさを付与します。

 

Ⅲ.シャルドネ

画像:WINE WHATより

コート・デ・ブランの白亜質土壌で育ったものが最良といわれます。

早熟で栽培しやすいが、悪天候下ではミルランダージュ(結実不良)やクルール(花振るい)の影響を受けやすく、雨天時のボトリティスによる腐敗も起きやすいという欠点があります。

※ミルランダージュが起きると必ずクオリティが落ちるわけではなく、収量が落ちることで返ってクオリティが上がる場合もあるようです。

 

シャンパーニュのブレンドに繊細さや柑橘の風味を付与する役割を持ちます。

また、シャルドネは長期熟成向けに設計されたシャンパーニュにおいて非常に重要なファクターとなります。

 

Ⅳ.その他の品種

アルバンヌやプティ・メリエ、ピノ・ブラン、ピノ・グリも認可されていますが、全体の栽培量の0.3%ほどしかありません。

なので、シャンパーニュにシャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエの3品種以外が使われるという事はあまり知られていなかったりします。

 

 

2.栽培について

Ⅰ.植裁

シャンパーニュの畑は南向き、東向き、南東向きの斜面に築かれていて、日光をよく浴びることができる様設計されています。

標高は90-300mほどです。

 

畝(うね)の間隔は最大で1.5m、など細かく規定がされており、ブドウの木の植密度を高めることで、栄養分を奪い合わせ、高品質なブドウを栽培しています。

 

Ⅱ.剪定

シャンパーニュで認められる剪定の方法は4つです。

下に剪定された木の図を貼りますね。

※剪定ルール等は難解ですので、割愛します。

※画像にあるリアージュというのは、枝をワイヤーに固定することです。

 

ⅰ.タイユ・シャブリ(シャブリ方式)

シャルドネの最良の選定方法として広く知られています。

 

ⅱ.コルドン方式

こちらはピノ・ノワール、ピノ・ムニエに使用されます。

 

ⅲ.グイヨ方式

三品種すべてにおいて、一部の畑に許されています。

サンプル(シングル)=1本、ドゥーブル(ダブル)=2本または非対称の方式があります。

 

ⅳ.ヴァレ・ド・ラ・マルヌ方式

ピノ・ムニエに使用されます。

 

剪定によって

  • 葉の茂り具合と結実量のバランス
  • 木の形のバランス (日当たりや風通しが良くなるよう)
  • 木の寿命と生産量のバランス

を整え、品質の高いブドウを長く収穫できるようにします。

 

3.収穫について

収穫日は毎年シャンパーニュ委員会が設定します。

サンプルブドウの色付き、平均重量、糖濃度、酸度などによりその年の許容収穫量や最低アルコール度数なども決定されます。

 

良いヴィンテージのものはブレンド用のリザーヴワインとして取りおかれる事があります。

収穫には一般的に3週間ほど続き、毎年約10万人もの人手を要するといわれています。

シャンパーニュは全て手摘みなので、収穫の時期にはものすごく沢山の労働力が必要になるんですね。

 

収穫したブドウをプレスする「プレスセンター」がシャンパーニュ地方に約1900も置かれている事で、ブドウの移動時間を最小限に抑えています。

フレッシュに保つという面はもちろん、輸送時に粒が割れて黒ブドウ果皮と果汁が触れてしまうと、

意図せずロゼワインになってしまう危険があるため、プレスまでの移動時間は最短にしたいんですね。

 

畑の中でのお仕事、「栽培・収穫」のパートは以上です!

次回はワイナリーに運ばれてからのお話に移りたいと思います。

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