クロ・デ・コルヴェとミルランダージュ
ミルランダージュとは、日本語で「結実不良」と翻訳される専門用語です。
気候やウイルスの影響でうまく実が大きくならず、種も出来ない状態の事をさしています。
このミルランダージュが起こると収穫量が減ってしまいますので、通常はあまりよしとされなかったりしますが、このミルランダージュを歓迎する生産者も多く存在します。
ミルランダージュが起こったブドウは粒が大きくならないため、非常に凝縮された風味を持つものになります。
また、ミルランダージュが起こった粒を通常のものと比較すると、カリウムの含有量が少ないのだそうです。
カリウムは酒石酸と結びつき酒石酸カリウムとなるため、カリウムが少ないほうが酸を高く保つことが出来、結果長期熟成向きのワインになりやすいというメリットもあります。
また、粒が小さい事で粒同士が密着せず、風通しが良くなるため、灰色カビ病なども防ぎ、カビ等に由来する不必要な香りのない、ピュアな果実味を得る事が出来ます。
メリットも多く、このメリットを享受したいと考える生産者もいますが、なかなか結実不良は狙って起こす事は難しいようです。
昨年、残念ながらなくなってしまった伝説の生産者「プリューレ・ロック」氏は、自身の所有するプルミエ・クリュ「クロ・デ・コルヴェ」から収穫したブドウから、100%結実不良の房のみを厳選し、ワイン造りをしています。
当然生産量は多くなく、毎年生産できる量は大きく変動します。
しかしながらその味わいは非常にパワーと凝縮感のある素晴らしいもので、世界中のワインラバーが奪い合う貴重なワインです。
当店でも1本のみ入荷が御座いましたので、ご興味がある方は是非ご検討を頂ければ幸いで御座います。
●2014ニュイ・サン・ジョルジュ プルミエ・クリュ・ クロ・デ・コルヴェ(プリューレ・ロック)
https://onlineshop.yswinegallery.com/shopdetail/000000002595/