銀座 ワインショップ ワイズワインギャラリーのワインブログ

銀座のワインショップ ワイズワインギャラリースタッフブログ

生産者セミナー

      2018/03/05

今日は青山にてシャトー・ド・ボーカステルで有名な
シャトーヌフ・デュ・パプの名門、ドメーヌ・ペラン社の5代目当主、
マルク・ペラン氏をお招きしての試飲セミナーに行ってきました。

今回は特に出来が良く、最新ヴィンテージでもある
2007年の6種類のシリーズテイスティングでした。

ワインリストは以下の通り
1,2007年シャトー・ド・ボーカステル・ブラン
2,2007年ペラン・レゼルヴ・ルージュ
3,2007年ペラン・ケランヌ・ルージュ
4,2007年ペラン・ジゴンダス・ラ・ガレ
5,2007年シャトー・ド・ボーカステル・ルージュ
6,2007年オマージュ・ア・ジャック・ペラン

ボーカステル 008.jpg

ペラン家は1909年からこの地でワイン造りを続ける名門です。
1964年からオーガニック製法にこだわり、
「ワインは自然の力だけで造るもの」という哲学を基に
特に欧米市場で人気を集めています。

ボーカステル 001.jpg

ブルゴーニュ好きの自分にとってコート・デュ・ローヌ地方は
イマイチ陶酔できない場所ではありましたが、
2007年が自分のちびっこの産まれ年というのもあり、
さらに良作年だったので、気にはなっていました。

セミナーではペラン家のこれまでの歴史を中心に
ワイン造りに対するこだわりを伺うことができました。

ボーカステル 009.jpg

自然なワイン造りをしているペラン家で
とりわけ大事にしている葡萄品種はムールヴェードルで、
所有畑のテロワールで一番光輝く品種であり、
同社の最上級キュヴェのオマージュ・ア・ジャック・ペランの
主要品種になっています。
もちろん所有畑が広く様々な土壌があるので、
シャトーヌフ・デュ・パプで認可されている13品種
全て栽培されていますが、
このムールヴェードルが核となる品種だそうです。
最近では温暖化の影響でローヌ地方の
最主要品種と思われるシラーの栽培面積は
8%まで落ち込んでいるとのこと。
逆に暑さに耐久性のあるクノワーズの栽培面積が増え、
シラーと同率まで増えているそうです。

今回のテイスティングで最も驚かされたのが
5番の2007年、シャトー・ド・ボーカステル・ルージュ

ボーカステル 005.jpg

ブルゴーニュ好きの自分でも
とても美味しく素晴らしい味わいでした。

黒果実、スミレ等の紫系の花の香り。
干肉や生肉の鉄っぽさなどとても複雑な香りに始まり
酸、タンニンが丸く果実の甘さもあり、
ひんやりした質感、舌触りの滑らかも申し分なく、
全てのバランスが調和されていました。
今でも美味しいですが、とても熟成が期待できると思います。

そして締めのオマージュ・ア・ジャック・ペラン

ボーカステル 004.jpg

これはこれは!!(@_@;)
凄く濃く、グラスに流れる液体が
ねっとりとへばり付く様に下に垂れています。
トロトロのブドウスープのようです。
香りも黒果実、皮、肉、オリエンタルスパイスなどの
とても複雑な高濃度の香りが立ち込めました。
味わいはとても濃厚!
ねっとりしていて甘味、酸味、タンニン、苦味などの要素が
ミクロに溶け込んでいて若々しくパワフルだが角がなく、
とてもスムーズに飲み込めました。
タンニンの細かさ、艶は驚きで飲み込めと、
口の中が真珠みたいにつるっとした感じになったのは
始めての体験でした。
なんでしょう、この感覚は!
威張るわけでもなく、かといって控え目でもなく、
知的で壮大な存在感がありみんなを引っ張ってくれる
偉大なカリスマワインに感じたのは自分だけでしょうか?
もちろん個人の好みもあると思いますが、
数多くのパーカー100点ワインの中でも、
納得したワインでした。
しかし、生産量は少ないし、高いし…

という充実した時間を過ごさせて頂きました。
もっと南仏を勉強しないとですね!

 - 1 スタッフ_デイリー