シャンパーニュの熟成
2018/03/06
今、お店では暑くなる季節に向けて
シャンパーニュとスパークリングワインの種類を増量中!
現在、シャンパーニュだけでも70種類近くまで集まってきました。
基本的に当店で取り扱っているのが、
どれも小さい造り手が中心になります。
産地の特色が出た個性的な味わいから
バランスのとれた味わいのものまで
じっくりとテイスティングを重ねなから徐々に増やしております。
そんな作業中に発見したのがこの2つ!
全く同じシャンパーニュに見えると思いますが…
裏ラベルをみると
???
何かお分かりになりますか?
写真左側が15 JANVIER 2007
写真右側が01 MARS 2007
って後付けされた文字が見えると思いますが…
これはデゴルジュマンされた日にちを記載してくれているんですね!
左側が2007年1月15日
右側が2007年3月1日
このデゴルジュマンとは、熟成中のシャンパーニュに
溜まっているオリを除去する作業のことをいいます。
そのあとに味わいを決定付けるドザージュという作業を行うのですが…。
特に小さい規模の生産者、品質にこだわりを持った生産者で
RMと言われる生産者に記載されてあることが多くみられます。
で、これが記載してあるから何なの??って当然思いますよね!
実はこれが凄い情報になってくるのです☆
単純に一つ挙げると、このデゴルジュマン時期の違いで
味わいが変わってしまうのです。
全く同じ年に収穫されたブドウを使って
同じ方法で造られたものでもです☆
一般的なシャンパーニュはこのデゴルジュマンの記載はありません。
一部のヴィンテージ・シャンパーニュを除いては
ヴィンテージ記載もないですよね~
そしてシャンパーニュはいつ飲んでも美味しい!
いつでも飲み頃!わざわざ寝かせて飲むものではない!
というのが定説になっているのですが、それには理由があるようです。
特に大手メゾンのシャンパーニュに言えることなのですが、
大手メゾンには大手メゾンの緻密に計算され、
作られた味わいがあります!
それは熟練の職人によって作られたブレンド技術によって
生み出された味わいで毎年、いつ飲んでも
そこのメゾンの味わいがあります。
しかも規模が大きくなればなるほど何十万本、何百万本と
毎回毎回デゴルジュマンの日にちなんて記載できません!
記載しても、デゴルジュマンの時期の違いにより、
表ラベルが同じなのにいくつもの味わいが存在してしまい、
そのブランドの味わいを確立できないのです。
更に、デゴルジュマンしてからは時間が経てば経つほど
老化していくと考えられています。
もともとワインに比べて熟成期間が長いことや
オリと一緒に熟成することにより新鮮さを失わずに
複雑さを獲ることはあっても、
デゴルジュマンをしたあと質は向上していかないとされているからです。
今回写真のジャック・セロスを始め、
アラン・ロベールの今市場に出ている
1990年1988年1986年もの、エグリ・ウーリエ
その他優良なシャンパーニュは
いずれも出荷直前にデゴルジュマンされていますし、
ボランジェのRD「Recemment Degorge」(最近オ リ引きした)、
という商品をわざわざリリースしていることから
それを理解することができます。
そういうことから裏ラベルのデゴルジュマンの日時は
飲むタイミングの参考になると言えるでしょう。
エグリ・ウーリエのシャンパーニュは
わざわざ熟成期間までも記載してあります。
1999年と2000年のヴィンテージ違いですが、
そのシャンパーニュの出来によって熟成期間も変えているのでしょう!
なんと1999年が100カ月、2000年は82カ月熟成!さすがは完璧主義者!
個人的にはデゴルジュマンされてから、1年位経過して、
3年~4年以内に飲む事が多かったかな?
最後に例外もあるということをお伝えしておきます。
デゴルジュマンしたあとに数年経過した方が美味しかったものがありました。
1990年のサロン、1990年のクリスタル、1996年のランソンなどです。
明らかにリリース直後の新しいヴィンテージよりも
香りも味わいも複雑になっていて、別次元の美味しさでした。
これらの共通項はいずれもマロラクティック発酵を施していないことです。
もちろんヴィンテージの良し悪しはあるとは思いますが、
これらは真価を発揮するまでには相当な時間が必要なのだと感じました。
ちなみに今回の写真のような数ヶ月のデゴルジュマン違い位では、
あまり味わいの差はないかと…
これからも色々勉強しなくては!!